【体験談】東京労働大学総合講座を受講した感想 ~「労働」を体系的に学ぶ~

2018年7月30日働き方

2018年4月より4ヶ月にわたって東京労働大学総合講座を受講しました。
週に2~3回、合計33回仕事終わりに東京大学に通い、労働に関する様々な分野を学んできました。
通うのは大変でしたが、体系的に「労働」について学ぶ機会は今までなかったので、とても貴重な経験になりました。
今回はそんな東京労働大学総合講座の感想です。

東京労働大学講座とは

厚生労働省管轄の(独)労働政策研究・研修機構が毎年実施している労働に関する講座です。
ちなみに、労働政策研究・研修機構は、英語表記の頭文字をとってJIL(ジル)とよく呼ばれます。(The japan Institute for Labour policy and Training)

第二次大戦後の労働教育としてスタートしたこの講座は2019年で68回を迎え、今までに2万8千人以上の方々が受講された歴史的な労働講座だそうです。(公式HPより)

東京労働大学講座の概要

総合講座と専門講座

JIL主催の労働大学講座には、総合講座専門講座があります。
総合講座はテキストを見ながら座学中心の一方向的な学術講座がメイン。
対して、専門講座は参加型の双方向的な実践講座がメインです。

総合講座と専門講座にはそれぞれ、人事管理・労働経済部門と労働法部門の2つのコースがあります。

2つの部門を一括して受講するのが原則のようですが、総合講座の労働法部門だけ受講するということも可能です。
また、担当する講師は毎回変わるオムニバス形式の授業です。

私は今回総合講座を一括受講しました。

日程

2018年4月1週目から7月2週目までの間で33日間
週に2~3日。曜日不定期での開催です。

詳しくはこちらをご参照ください

時間

18時30分から20時30分までの2時間(途中10分程の休憩有)。
遅刻する場合は、19時30分までなら出席と認められます。

場所

東京大学法学部@本郷キャンパス

本郷キャンパスに18時半までに到着する必要があるので、毎回急いで仕事を終わらせて向かいました。
参加される方は、周囲の理解と協力が必要になる方が多いかと思います。

総合講座の内容

講座のテーマ内容はこちらを参考下さい。

人事部員であれば実務に直接関係のある内容がたくさんあります。
例えば、内定取り消しの司法判断や、就業規則変更時の注意点など、身近な事例の法的根拠を学ぶことができました。

また、講義を担当する先生は毎回異なり、そのテーマの第一人者が講義をしてくれます。
労働学に詳しい方なら、大物ぞろいで驚くぐらいの大御所先生だらけだそうです。
例えば、慶応義塾長を務めた清家篤先生や、早稲田大学の副総長を務めた島田陽一先生などなど。
第一人者の先生が講義をしてくれます。

参加者

参加人数は合計400名。東大の大きな教室がほぼ満席でした。

担当講師によると、参加者の内訳は以下の通りだそうです。(2018年参加者))
・人事部員が56%
・現場の管理職が2割弱
・残りが労働組合員

なお、講義の参加資格はありません。

試験・合格の要件

人事管理・労働経済部門労働法部門の2つのコースそれぞれで最後に試験があります。
講師がそれぞれ問題を出題、その中から2人の先生を選び、回答する形式です。

問題は「~~について論ぜよ。」といった論述形式がほとんどです。

【出題例】
報酬管理の日本的特徴を講義内容を参考にしつつ、述べなさい。

配布されるテキストには昨年の試験内容が掲載されているので、対策することが可能です。

東京労働大学総合講座を受講した感想

体系的な学習に最適な講座

人事業界で働くようになってから労働について体系的に学ぶ機会は今までありませんでした。
業務に関連する知識をその場その場で学びながら今までなんとか乗り切ってきました。
いざ、「自分で労働問題について学ぼう!」と思っても、参考書は分厚いし、労働法に関する条文はとても多い。。
何から手を付けて良いのかいつも悩んでいました。

この講座は、そんな 労働について学びたいけど、どうやって学べばよいかわからない!」 という人事部員向けに最適な学習機会を提供してくれます。
実務をする上でこれだけは覚えておきたい基礎的理論や法律、最新の動向を体系的に学ぶことができました。
人事部の後輩に最もお勧めしたい学習方法です。

裏話が聞けて面白い

担当する講師は、政府の労働政策審議会など政策決定に携わった経験を持つ先生が多くいました。
そんな講師の方が政策決定の裏話をたまにしてくれたのが、興味深かったです。

「行政からある調査依頼を受けて、その調査結果を発表しようとしたら、行政からストップがかかって調査の一部を公開しなかった」
「この法律はこの業界に忖度したからこうなった」
などなど。笑

政策決定に関わっている研究者だからこそ話せるエピソードをたくさん聞くことができ、「いろんな忖度があって政策って決まっていくんだなぁ」と行政の奥深さ(闇?)を知ることができました。

講座はネット配信で良いのでは?

この労働大学の一番の感想は、「通うのが大変だった。。」ということです。
講義がある日は、仕事を5時半ごろに切り上げて、東京大学キャンパスへ向かいました。
そんな働き方を週に2~3回。
しかも、時期は4月から7月という人事・給与業務でとても忙しい時期でしたので、仕事のやりくりに苦労しました。

私が受講した総合講座は一方向的な講義であり、質問する人もほとんどいません。
それならいっそ「ネット配信で良いのでは?」と思います。

400人が週に2~3回仕事を早く切り上げ、東京大学まで通学する。
その社会的コストは少なくないと思います。
(もちろん得られるメリットも大きいのですが。)

歴史ある講座なので、スタイルを変えるのには抵抗があるでしょうが、労働法の理解を広く国民に伝えることを目指しているのであれば、ネット配信が最適な方法ではないでしょうか。


しかし、東京大学で授業を受ける機会もないので、それはそれで貴重な経験でした。
労働について体系的に学びたい方は本当におススメの講座です。
年に一度開催していますので、興味がある方は是非受講してみてはいかがでしょうか。

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