「65歳超雇用推進助成金」を申請する際の注意点【必要経費の発生が要件】

「65歳超雇用推進助成金」という助成金をご存知でしょうか。
この助成金は、定年を65歳以上へ引き上げた企業や、高齢者を無期転換雇用した企業など高齢者雇用に力を入れている企業に支給される助成金です。

定年を65歳まで引き上げる企業が増えておりますので、給付対象となる企業は多いのではないでしょうか。

私の勤務先も定年を引き上げたため、申請を検討しました。
しかし、思わぬところで支給要件に当てはまらず申請をあきらめました。

今回はそんな「65歳超雇用推進助成金」の支給要件についてまとめていきます。
(本記事では該当の助成金の内、「65歳超継続雇用促進コース」に限って説明を致します。)

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「65歳超雇用推進助成金」とは

まず、「65歳超雇用推進助成金」とは、読んで字のごとく65歳以上も働ける環境を整えた企業に支給される給付金です。
この助成金には3つのコースがあります。(2019年2月時点)

① 65歳超継続雇用促進コース
② 高年齢者雇用環境整備支援コース
③ 高年齢者無期雇用転換コース

それぞれのコースごとの詳細は割愛しますので、内容についてはこちらのページにてご確認ください。

今回は、最も申請対象となる企業が多いであろう、「① 65歳超継続雇用促進コース」についてご説明します。

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「65歳超継続雇用促進コース」とは

こちらは、定年を65歳以上へ引き上げた(もしくは、廃止した)事業主に支給される助成金です。

支給される額は引き上げた年齢や、60歳以上の社員数によって変わってきます。

最大で160万円が支給されるため、企業にとっては見逃せない給付金です。

私の勤務先も今年定年を引き上げたので、申請をしようと試みました。
しかし、申請を諦めました。
理由は、支給要件を一つだけ満たしていなかったためです。

「65歳超継続雇用促進コース」の受給要件

「65歳超継続雇用促進コース」を受給するためには、3つの要件を全て満たしている必要があります。

① 就業規則などで定年を引き上げor廃止し、労基署に届け出済み
② 就業規則により定年の引き上げを実施する際、専門家等に委託し経費を支出したこと
③ 高年齢者雇用管理に関する措置を実施していること

以上の3つを満たしている必要があります。
その他にも、「過去1年以内に労働関係法令の違反を行った場合」や「過去3年以内に助成金の不正受給を行った場合」などは支給対象外となります。参考

3つ目の要件(高齢者の雇用管理措置)の詳細に関しては、こちらのページをご確認ください。
(フレックス制度や短時間勤務を導入していれば認められることがほとんどのようです。)

当社の場合、①と③は該当したのですが、②に該当しなかったので、申請を諦めざるを得ませんでした。

「65歳超継続雇用促進コース」を受給するためには、専門家への委託料支払いが要件

今回の給付金を受給するためには、社労士法人などの専門家に委託してお金を払っていることが絶対条件です。

当社の場合、社労士資格を保有している社員がおりますので、就業規則の変更手続きは社内の人間ですべて行いました。
一方で、定年の引き上げに伴い退職金制度も今回変更しました。
その際は、退職金を委託している金融機関にコンサルタント料を支払い、行政への届出をして頂きました。

また、定年引き上げに伴う制度変更説明会を全国の支局を回って実施したため、その際の交通費が発生しています。

このように、定年引き上げに伴い様々な経費が発生しているのですが、問い合わせしたところ給付金の対象にはならないとの回答でした。
なぜなら、就業規則変更のための委託経費が発生していないから

この理由のため、給付金を諦めざるを得ませんでした。

就業規則変更を外部に委託していないと助成金もらえないので、要注意

退職金規定変更に伴い、退職金を委託している金融機関に少なくないコンサルタントフィーを支払っているのですが、それだけでは認められません。
就業規則を変更する際に、社労士法人に委託し、委託料を支払っていることが絶対条件なのです。
この支払をしていないと助成金の対象にはなりませんので、ご注意ください。
なんだかモヤモヤしますが、仕方がありません。

この助成金を知ったときは、「うちの会社も助成金もらえるんじゃないか!?」とワクワクしていたのですが、ただのぬか喜びでした。。

みなさんも私のようにぬか喜びしないようご注意ください。