2018年10月よりマイナポータルにて、「就労証明書作成コーナー」がオープンしました。
全ての市区町村の就労証明書がデータ化されており、キーボード入力で証明書が作成できるようになりました。
「就労証明書作成コーナー」の概要
今までは、
就労証明書を作成する際、従業員から紙の証明書をもらい、手書きで作成しておりました。
自治体によっては、サイトにPDFやエクセル形式を掲載しているところもあります。自治体のサイトを訪問し、フォーマットがアップされていれば、パソコンで作成していました。
「就労証明書作成コーナー」でできること
「就労証明書作成コーナー」上で、(おそらく)全ての市区町村の就労証明書がキーボード入力で作成できるようになりました。
全市区町村の就労証明書がデータ化され、1つのサイトから全ての市区町村の証明書にアクセスが可能になったのです。
(参考)
「就労証明書作成コーナー」のやり方
実際に「就労証明書作成コーナー」で証明書を作成してみましょう。
① マイナポータルの左側にある「就労証明書作成コーナー」をクリック
② 市区町村を選択
市区町村を選択すると、証明書の種類が表示されます。該当の証明書を選択し、「次へすすむ」を押します。
③ 証明書に必要な入力事項を手入力
証明書作成に必要な項目を手入力します。
こちらは、市区町村ごとに項目が異なります。
必要事項に入力漏れがあると、エラー表示がされ、入力を求められます。
④ 入力を終えると、確認ページへ
内容に間違いがなければ、「次へすすむ」を押します。
⑤ PDFで表示⇒印刷⇒社印を押印⇒本人に渡す
「PDFダウンロード」ボタンを押すと、PDFでダウンロードできます。
ダウンロードしたのがこちら。↓
(若干、配置がアンバランスでなんだか気持ち悪い気もしますが。。)
印刷後、社印を押して、本人に渡します。
「就労証明書作成コーナー」を使用した感想
従来のやり方とそこまで変わらない。
政府のPRでは、「これで手書きからキーボード入力に変わります!」と謳っております。
ただ、今までも各市区町村のサイトにエクセル版やPDF版の就労証明書がアップされていましたので、人事担当者がやることはそこまで変わりありません。
一つのサイトにまとめられたのは、確かに便利になりましたが、業務量はそこまで変わらないかな? という印象です。
結局、押印は必要
政府は、この作成コーナーができたことで、「電子申請が可能になりました!」ともアピールしております。(「すすっと電子申請」)
ただ、これは個人が自治体に申請する際に電子申請が可能になったということです。
会社が作成する証明書は今迄通り紙に印刷して、社印を押す必要があります。
個人は、社印が押された紙の証明書を受け取ったら、その証明書を写真に撮って、サイトにアップロードする必要があります。
なんだか全然スタイリッシュじゃないですよね。。
社印の押印ってそこまで本当に必要なんでしょうか?
しかも、現時点で電子申請を対応している自治体は約3割。
残りの7割は今まで通り郵送などで対応する必要があります。
結論、人事担当者の負担はそこまで変わらない
人事担当者としての感想は、「便利になった実感はそれほどない。。」というのが本音です。
結局、手入力するという作業はどうしても残ってしまいます。
データが集約化されたとはいえ、該当の自治体の証明書を検索する手間を考慮すると、以前とほとんど変わりありません。
冷静に考えてみると、「今まで手書きだったのが手入力できるようになりましたよー」ってあまりにも時代遅れな改革だと思ってしまいます。。
人事担当者が望むのは、人事データから情報を取得して自動で証明書を作成できるようになることです。
そもそも様式を統一しませんか?
就労証明書の最大の問題は、各市区町村で様式がバラバラだということです。
詳しいことは別の記事に事例を挙げながらまとめましたので、こちらの記事をお読みください。↓
保育園に提出する「就労証明書」は様式を全市区町村で統一しませんか?【提言】
様式が統一されれば、人事システムに就労証明書作成機能が容易に実現できると思うのです。
人事システムでなくても、エクセルの機能を使って自動作成ができるようになるはずです。
(社員番号を入力すると、その他の項目は全て人事情報や勤怠情報から自動で集計されるようなことが可能なはずです。)
確かに、政府は今回の「就労証明書作成コーナー」のAPIを提供しております。(参考)
詳しいことは確認できていないのですが、APIの提供により、近い将来いくつかの人事システムで証明書作成が自動化できるようになると思われます。
ただ、様式が統一化されれば、もっと簡単に証明書作成の自動化が早い段階で実現できると思うのです。
改めて、証明書様式の統一化を望みます。