フリーランスの就業実態に関する調査結果をまとめてみた

フリーランスってどらぐらい収入があって、どれぐらい働いているんだろう?

そんな疑問を解決するために、労働政策研究・研修機構が、「独立自営業者」(いわゆるフリーランス)の就業実態に関する大規模調査を実施しました。

普段あまり表にはでてこないフリーランスの実態がよく分かる面白い調査結果だったので、ご紹介します。
副業やフリーランスを考えている人は、参考になるはずです。

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「独立自営業者」の就業実態調査概要

今回ご紹介する調査報告は、労働政策研究・研修機構(略してJIL)が発表したこちら。

「独立自営業者の就業実態と意識に関する調査」
調査結果概要
調査結果詳細

2つ目の「調査結果詳細」には約400ページにも及ぶ詳細な内容がまとめられています。

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「独立自営業者」の定義

そもそも今回調査した「独立自営業者」とは?
「独立自営業者」の定義について確認します。

「独立自営業者」とは?
・雇用されない形で業務を依頼される
・自身も人を雇わずに報酬を得ている
・個人商店主、雇用主、農林業従事者を除く、
・自営業・フリーランス・個人事業主・クラウドワーカーの仕事で収入を得た者

これらすべてに該当している人が今回の調査対象です。
サラリーマンをしながら副業している兼業者も含まれます。

回答者の属性

今回の調査対象者数は 8,256名。

割合

専業・副業それぞれ50%ずつになるよう調査しているようです。
業種別に分けたのがこちら。↓

主な仕事 回答割合
事務関連 18.9 %
デザイン・映像制作 8.9 %
IT 8.5 %
専門業務(医療、講師、芸能、演奏など) 39.6 %
生活関連サービス、理容、美容 9.0 %
現場作業(運輸、製造、修理、清掃など) 15.2 %
合計 100 %

ご覧の通り多種多様な業種が今回の調査対象になっています。
データ入力作業(事務関連)、映像編集(デザイン)、WEBデザイン(IT)、更には運送業や医療関係などなど。
独立自営業者と一言で言っても、幅広い業種を含んでいます。

そこでこの記事では、まず全体の調査結果を簡単にご紹介し、
その後、職種を3つに絞って詳しく見ていきます。

調査結果の概要(全体)

全種目合わせた調査結果の概要をご紹介します。

独立自営業者(フリーランス、個人事業主、クラウドワーカーなど)全体でみたときの一年間の報酬総額は200万円未満の者が6割に上る一方で、仕事全体の満足度は高い。プレスリリースから引用)

【1月当りの平均作業日数】

平均作業日数は、月7日以下が全体の1/3
一方で2週間以上は50.1%

【報酬】(2017年の1年間)

50万円未満が39.9%

【満足度】

働きがいや働きやすさに対する満足度は高い
一方で収入に関する満足度は低い


兼業者も含めた調査のため、報酬や作業日数の数値はサラリーマンより格段に低い結果となっています。

これから詳しい内容を3つの職種に絞ってご紹介していきます。

調査結果の詳細(職種別)

今回ご紹介する職種は以下の3つに絞りました。

事務関連:データ入力作業 文章入力・テープ起こし など
デザイン:コンテンツ制作 映像制作 チラシ作成 など
IT関連  :Webサイトの作成 ソフトウェア開発 など

この3つを選んだ理由は、
・回答数が多い
・フリーランスと聞いてイメージしやすい業種
・分類が具体的な業種

という理由で筆者独断でピックアップしました。

なお、フリーのライターにも興味があったのですが、上記の中には含まれていません。
ライターは専門業務関連に含まれています。
この専門業務関連には、ほかにも建築や司会業、モデルなどが含まれており、漠然としすぎた分類だったため採用しませんでした。

それでは、これら3つの職種に絞って調査結果をご紹介します。

兼業か専業か?

専業か兼業か

事務関連のほとんどはデータ入力作業です。多くの人が副業として行っていることがわかります。
一方で、ITは専業が半分以上。
IT分野一本で食べている人が多いことが分かります。
これからご紹介する数値は専業兼業どちらも含めた数値です。

いくら稼げてる?

収入別

調査期間は、2017年1月から12月の間の1年間です。
3つの業種すべて「50万円未満」が最多割合でした。
IT、デザインに関しては、50万円未満が最多になっている一方で、2番目に多い割合は500万円以上。
専業で稼いでいる人と副業であまり稼げていない人がはっきりと分かれていることが推測できます。

ひと月の労働日数はどれぐらい?

労働日数

事務関連は、月4日未満が最多。これはもともと副業(本業ではなく)で働いている人が多いためでしょう。

本業が多いデザインやITは月20~24日が多い結果に。
月25日勤務者もすべての業種で1割以上いるのには驚きました。(週休2日で働いているサラリーマンよりも働いていますね。)

仕事の受注方法は?

ランキング形式でご紹介。

【事務関連】

1位 クラウドソーシング 41.7 %
2位 自ら営業活動 14.3 %
3位 知人の紹介 10.1 %

事務関連はクラウドソーシングが圧倒的多数でした。

【デザイン】

1位 取引先から依頼 27.3 %
2位 自ら営業活動 25.9 %
3位 知人の紹介 12.6 %

【IT】

1位 取引先から依頼 22.4 %
2位 自ら営業活動 19.9 %
3位 クラウドソーシング 14.1 %

デザインとITに関しては、
順に、「取引先から依頼を受ける」「自ら営業活動」がそれぞれ多数でした。
独立前の会社員時代に築いた人脈をベースにして、そこから取引先を開拓している人が多いのではないかと思われます。

取引社数は何社?

では、何社と取引しているのでしょうか?

取引数

2017年1年間の取引先数です。
ITと事務関連は1社が約半数。
デザインは、大半の方が複数の会社と取引していることが分かります。

1年間で1社としか取引していない方は、ほぼその会社の労働者として働いているのでしょう。
委託業者と労働者の線引きが問題になってきそうです。

以上が、3業種に絞った調査結果です。

調査をまとめた感想

兼業も含めた調査結果とはいえ、年間の平均報酬が0~50万円が最多というのは現実の厳しさを物語っている気がします。
一方で500万円以上の報酬を得ている人が多くいることも分かりました。

また、フリーランスと聞くと複数の会社から単発の仕事を請け負っているイメージでしたが、
「取引先1社のみ」が最多というのは意外でした。

ITの世界では独立自営業者の活用は常態化していることを聞きますが、今後はIT系のみならず他の職種でも独立自営業者の活用が増えてくるのでしょう。

自営業者は転職市場では見つからない

今回ご紹介した独立自営業者は転職市場では見つけられ無い方々です。
経験豊富な人材が転職市場の外にたくさん存在していることを企業の人事部はもっと知るべきなのかもしれません。
「質の高い独立自営業者をいかに見つけてくるか?」
人事部にとって新たな課題が生まれてきていることを、今回の調査で実感しました。

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