『会計の世界史』の感想 ~会計学習の入門本としておすすめ~

2019年3月26日コラム

「会計について学びたいけど、何から学んでよいかわからない。」
「数学得意じゃないから会計はなんだか苦手。」

こんな悩みを抱えている社会人は多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめの一冊がこちら。

タイトルだけ聞くと、高校の教科書みたいに年号の羅列がびっしり書かれたマニア向けの本をイメージしますが、
この本には難しい会計用語や数式はほとんど出てきません。

誰もが理解できる優しい文章で会計を大局的に学ぶことができる一冊です。

『会計の世界史』の概要

本書は、世界史の経済発展を振り返りながらストーリー形式で会計の歴史が書かれています。
面白いのは、歴史上の偉人を主人公として取り上げているということです。

本書に登場する人物

ダ・ヴィンチ、レンブラント、スティーブンソン、フォード、
ケネディ、エジソン、マッキンゼー、プレスリー、ビートルズ、マイケルジャクソン

誰もが聞いたことがある偉人を主人公にしながら、現在の会計制度がどのように生まれたのかが描かれています。

例えば、「減価償却」という考え方は蒸気機関車の発明が影響していました。

【減価償却の登場】
スティーブンソンが蒸気機関車を実用化⇒
19世紀イギリスは鉄道の時代に⇒
鉄道会社は多額の固定資産が必要⇒
株を発行し出資金を集める⇒
毎年の利益に応じて出資者に配当金を支払う必要あり⇒
固定資産に投資した年だけ配当金が払えない⇒
儲けを平準化できないか?⇒
減価償却という考え方が登場!

このように教えてくれれば、簿記の勉強の時に減価償却で躓かなかったのになぁと思います。

また、ファイナンスの章では、マイケルジャクソンがビートルズの権利を購入した話を用いながら、「のれん」という考え方を説明しています。

本書で学べる会計知識

簿記、決算書、、減価償却、財務会計、管理会計、ファイナンス、IFRS
これらの仕組みと生まれた経緯。

なぜ、簿記が生まれたのか?
減価償却っていったいなんなの?
財務会計と管理会計の違いって何?

これらの疑問を歴史上の偉人や世界史の事件と関連付けながら平易な文章で説明をしてくれます。

会計を一度勉強したことがある方もこの本を読めば、実際の歴史を振り返りながら学ぶことでより深く理解ができるはずです。

歴史を学べば変化に柔軟に対応できる

本書のあとがきに歴史を学ぶ意義が書かれていたので、ご紹介します。

本書を読み終えた読者は、帳簿、決算書、予算、企業評価などの歴史が「意外に短い」ことに気付かれたことでしょう。
私たちは歴史を学ぶことによって、あらゆるものごとが「普遍的・絶対的な存在ではない」ことを知ることができます。
だからこそ守るべきところは守りつつ、変えるべきところについては「変える勇気」を持たなければなりません。 本書414ページ

時代の変化とともに、会計制度も大きく変わってきました。
簿記の勉強だけをしていると今の制度が絶対だと思いがちですが、この本を読むとそうではないことに気づかされます。
今後も変わっていくであろう会計制度。
会計の歴史を知っていると、より柔軟に変化に対応ができる気がします。
そんなことに気づかせてもらった一冊でした。

本は少し厚いですが、知的好奇心が刺激される面白い本でした。
会計に苦手意識がある方、ぜひこの本から会計の勉強を始めてみることをお勧めします。