【入門編】社会保険料(健康保険・厚生年金)はどうやって決まる?

長年、企業で給与や社会保険を担当している私は、社員の方から様々な問い合わせを受けます。

その時に思うのが、
社会保険料がどうやって決まるのか?
について、多くの社員の方はご存知ないんですよね。。

いつも説明していて疲れたので、今回記事にしました!

新卒の方でも理解できるように基礎から説明をしていきます。

※社会保険料は、雇用保険料や労災保険料も含まれますが、この記事では健康保険料・厚生年金保険料に限定して説明します。
※国民健康保険料は、この記事で紹介する内容とは別の方法で算出されます。
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まず、健康保険料・厚生年金保険料は毎月固定の金額!

給与から控除されている健康保険料・厚生年金保険料は、毎月固定の金額が控除されています。
つまり、所得税のようにその月の支給額に応じて計算されているわけではないのです。

社会保険料が変わるタイミングは基本的に年に一回です。
その間の保険料は固定されています。

【保険料が変わるタイミング】

名称 いつ 算定に使う給与
資格取得時決定 入社時 初任給
定時決定 年に一回 4~6月給与の平均
随時改定 給与が大幅に変わった時 増減後の直近3ヶ月の給与の平均

この中身は後半で説明します。
まず先に、保険料の算出方法についてご説明します。

どうやって保険料を算出するのか?

どうやって社会保険料を算出するのか?という点を先にご説明します。
いつ改定が行われるの?という点は次章以降で説明します。

厚生年金保険・健康保険の保険料は、3か月間の給与額の平均値から算出します。

3か月の給与平均値を、「保険料額表」という保険料を決める表にあてはめます。

厚生年金保険料額表
・健康保険保険料額表(例:協会けんぽ

厚生年金と健康保険は別々の表が存在します。
さらに、健康保険は会社によって加入する組合が異なりますので、保険料額表を入手する際は注意しましょう。

自身が加入している健康保険組合の名前は、保険証を見れば確認できます。
厚生年金と健康保険はこの表に照らし合わせて、保険料が決められます。

保険料額表の見方

表の読み取り方を厚生年金の表で詳しく見ていきましょう。

例えば、3か月の平均値が10万円ぴったりだったとします。(分かりやすくするため低い金額で説明します。)

「報酬月額」という項目から100,000円が該当する箇所を探すと、「2等級 標準報酬月額98,000円」というランクに位置づけられることが分かります。

表の右側部分に掲載されている金額が保険料です。

2等級の場合、全額17,934円 折半額8,967円と書かれていますね。(2019年9月現在)

ここで出てくるのが労使折半というルールです。

厚生年金と健康保険の保険料は、会社と社員本人とで半分ずつ納める。

というルールが日本の社会保険制度には存在します。

つまり、保険料は17,934円なのですが、その内の半分は会社が納めてくれるので、自分が納める金額は半額の8,967円になる。

以上が、保険料の算出方法です。

健康保険料も同様にして決められます。(保険料額表は厚生年金とは別です。)


それでは、この保険料の算出はいつ行われてるのか?
についてこれから見ていきましょう。

社会保険料の算出時期は主に3種類

名称 いつ 算定に使う給与
資格取得時決定 入社時 初任給
定時決定 年に一回 4~6月給与の平均
随時改定 給与が大幅に変わった時 増減後の直近3ヶ月の給与の平均

社会保険料は基本的に年に1回の定時決定で算出されます。

算出された保険料は原則1年間固定です。

ただ、どこかで給与が大幅に増減した場合は、増減後の給与で再度算出し直します。(随時改定)

【資格取得時決定】入社時は初任給より算出

新入社員の保険料は、最初の月に支給される金額を予測し、その金額をもとに保険料が決められます。時給や週給の場合は、月額に換算して算出します。

【定時決定】社会保険料は原則として4・5・6月の給与を基に算出

年に一度、毎年4月、5月、6月分に支払われた給与総額の平均額から算出します。

これで決定された標準報酬月額は、給与額に大きな変動がなければ、その年の9月から翌年8月まで適用されます。

この、年に一回の算出方法を定時決定と言います。

【随時改定】給与の条件が大幅に変わると、増減後の3か月平均で算出

定時決定による年に一回の改定が原則ですが、1年の間に給与額が大きく変わった時は、その時に再度算出しなおします。

これを随時改定といいます。

著しい変動があった月から3か月間の給与平均値を算出し、4ヶ月目から社会保険料額が改訂されます。

この随時改定はルールがややこしくて、次の3つの要件すべてに該当したときにだけ行われます。

  1. 基本給などの固定給が変わったとき(残業代の増減だけでは適用されない)
  2. 新しく算出した等級と、現在の等級との間に2等級以上の差があるとき
  3. 平均をとった3か月間の出勤日数が、それぞれ17日以上あること

詳しくは、こちらのページをご覧ください。

1に関しては、通勤手当も固定給に該当します。
つまり、基本給が変わらなくても通勤手当が変わったら1に該当することになります。

社会保険に詳しくない方は、給与が大幅に変わった時は、年の途中でも変わることがあるんだなぁぐらいに覚えておいてもらえば、問題ありません。

会社から支給される通勤手当も含めて給与の平均値を算出する!

3か月の平均値より算出すると説明しましたが、その給与には、基本給や残業代のほかに通勤手当も含まれます。

6か月定期代が支給されている場合は、「÷6」したひと月当たりの金額を算出して計算します。

通勤手当ってただ自分が支払っている定期代をもらっているだけなのに、社会保険料の対象になってしまうんですよね。

なんだか納得がいかないですが、政府の言い分としては、「通勤手当を支払っていない企業もあるから通勤手当も報酬だ」という理屈です。
詳しくはこちらの記事にまとめました。↓

つまり、会社から遠い地域から通っている社員の方が社会保険料は高くなってしまうことになります。頭の片隅にいれておくと、良いでしょう。


以上が、厚生年金保険・健康保険の保険料に決められ方です。

もし、この記事を読んでも分からない!という方がおられましたらぜひご連絡下さい。

自分ではどこが分かりにくい箇所なのか気づきにくいため、どの点が分かりにくいのか教えていただけると勉強になります。

問い合わせフォームもしくは下記のコメント欄にてご連絡ください。

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