厚生年金保険料と一緒に請求されている「子ども子育て拠出金」。
あのお金はいったい何に使われているのでしょうか。
子ども子育て拠出金の使い道について調べてみました。
子ども子育て拠出金とは
そもそも「子ども子育て拠出金」とは、子育て支援のために設けられた税金です。
- 拠出金負担者:事業主全額負担
- 納付方法:従業員の厚生年金保険料を納める際に、一緒に納付
- 拠出金率:0.29%(平成30年)従業員の標準報酬月額に対して
拠出金額の計算は、従業員の標準報酬月額により行いますが、拠出金の負担者は事業主です。
従業員が負担することはありません。
対象の従業員は厚生年金への加入者で、子供がいるかどうかは関係ありません。
厚生年金と一緒に年金機構に納めているので、社会保険料と思いがちですが、こちらは税金の一種です。
また、以前は「児童手当拠出金」という名称でした。
平成27年4月からは「子ども・子育て拠出金」という名称に変更されました。
子ども子育て拠出金は総額いくら拠出されているのか
全事業主から集めた拠出金はいくらになっているのでしょうか。
平成30年度の予算では、約5,000億円でした。(参考)
では、この5,000億円はどのように使われているのか。
子ども子育て拠出金の使い道
メインは児童手当の財源
一番の使い道は児童手当の財源です。
もともとの名前が「児童手当拠出金」という名称だったことからも分かるように、この税金は児童手当の財源として設けられました。
3歳未満がいる世帯へ支給される児童手当のほぼ半分は、この拠出金からまかなわれています。
他にも、子育て支援事業に充てられる
児童手当以外にも、放課後児童クラブや病児保育・延長保育への整備にもこの税金が使われています。
拠出率を上げて、更なる支援事業への追加
平成28年以降、子ども子育て拠出金の率は年々引き上げられました。
【こども・子育て拠出金率の推移】
2015年度:1,000分の1.5
2016年度:1,000分の2.0
2017年度:1,000分の2.3
2018年度:1,000分の2.9
この3年ほどで2倍近く上昇しました。
上昇した理由は、保育事業への支援を拡充させるためです。
率の上昇により新たに支援されることになったのは、「企業主導型保育事業」でした。
企業主導型保育事業への支援充実
現在、企業が自社のスペースなどを使い保育施設を設置した場合、通常の認可保育園並みの助成費をもらうことができます。
その助成費の財源の一部が子ども子育て拠出金となっています。
政府はこの「企業主導型保育事業」を拡充させることで、最大で5万人の保育の受け皿を設けることができると考えています。
社会全体で、子育てを支援する
子育て支援という国の最重要課題への政策に対して、なんで企業がお金を出さないといけないんだと納得がいかない方もいるかもしれません。
ただ、国の最重要課題だからこそ、社会全体で支えていかないといけないのかもしれません。
なにはともあれ、納税者として税金の使われ方をもっと注意してチェックしていかなければならないのでしょう。