先日、第一種衛生管理者試験を受けてきました。(@関東安全衛生技術センター)
1か月半の勉強で無事合格することができました!
そこでこの記事では、自分の体験をもとに衛生管理者試験を合格するまでの流れと効率的に合格するコツをご紹介します。
なお、試験当日の流れについては、別記事にまとめておりますので、試験直前の方は併せてこちらの記事をご覧ください。
衛生管理者試験とは?
衛生管理者とは、労働者の労働災害や健康障害を防止するために、労働安全衛生法で定められた国家資格です。
この衛生管理者を、企業は事業所ごとに選任する義務があります。
事業場の規模(労働者数) | 衛生管理者の数 |
---|---|
50人以上~200人以下 | 1人 |
201人以上~500人以下 | 2人 |
501人以上~1,000人以下 | 3人 |
1,001人以上~2,000人以下 | 4人 |
2,001人以上~3,000人以下 | 5人 |
3,001人以上 | 6人 |
会社ごとではなく、事業所ごとに選任しないといけないため、非常にニーズの高い国家資格です。
ちなみに、第一種は全業種で業務が行えるのに対して、第二種では業種が限られています。
試験内容と合格基準
問題はすべて5択の中から1つの正解を選ぶマーク方式です。
試験時間は3時間。
合格するためには、2つの条件を満たす必要があります。
1. それぞれの試験科目(上記5科目)における得点が40%以上であること。
2. 全科目の合計得点が60%以上であること。
全範囲を手堅くカバーする勉強方法が求められます。
難易度はどれぐらい?(合格率)
試験の難易度はやさしめです。
【平成30年度の合格率】
第一種:44.2%
第二種:52.4%
約二人に一人が合格しています。
受験資格と申し込みの流れ
申し込み方法に関しては、公式サイトにまとめられておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。
注意すべきポイントは2つです。
事業者証明書の取得
衛生管理者を受験するためには、労働衛生の実務経験を有していることが要件になります。
実務経験があることの確認として、会社作成した証明書を提出しなければなりません。
「実務経験がないから受験資格が満たないよー(泣)」
という方も、一度会社に相談してみましょう。
会社側も社員にはぜひ取得してもらいたい資格ですので、相談に応じてもらえることがあります。
証明写真は合格後に再度必要になる
証明写真は試験申し込み時に1枚、
合格後の免許申請書類でまた1枚必要になります。
証明写真は2枚以上準備をしておきましょう。
申し込みはお早めに!
毎月2~3回試験が実施されているのですが、あっという間に枠が埋まってしまいます。
早めに応募しましょう。
受け付けは、試験日の2カ月前から始まります。
応募方法は書類郵送のみ。
私の場合、2カ月と3日前ぐらいに書類が到着するように送りました。
返却されることなく無事受け付けられましたので、試験日を決めたら早めに郵送することをお勧めします。
ちなみに、私の受験番号はそれでも50番台でした。(定員560名)
私が受けた試験日(5月の平日)は、受け付け開始から11日で満員になっていました。
応募はお早めに。
以上が、試験の概要です。
後半は、試験対策についてご紹介していきます。
試験対策のコツ ~出題パターンを早めに把握しよう~
この試験は出題パターンがほぼ決まっています。
その出題パターンを早めに把握することが試験攻略のキーポイントです。
参考書を読むと、はじめて見る単語がたくさん出てきて心が折れそうになります。
しかし、出題パターンさせ知ってしまえばそこまで大変ではありません。
「この分野は○○と▲▲だけ覚えておけば、とりあえず6割はとれそう♪」
過去問を解いていくと、次第にこのように感じ始めます。
どんな出題パターンがあるのかを早めに把握しましょう。
では、お勧めする勉強方法をこれからご紹介します。
おすすめの勉強の流れは以下の通り。
① 参考書ざっと読み
② 過去問たくさん解く
③ 参考書&解説サイトで知識を補う
一つずつご説明します。
勉強方法その① 参考書ざっと読み
まずは参考書をざっと読みし、出題範囲を把握しましょう。
私が使用したのはこちらの本。
試験に出るポイントだけをシンプルにまとめられた参考書です。
図表も多く、見やすい構成になっています。
一方で、暗記前提でのつくりのため、暗記ではなく論理的に学びたい方にはお勧めできません。
また、出費を抑えたい方は、古い年度の本がメルカリにたくさん出ているので一度検索してみましょう。
ただし、古い年度の本は法改正が反映されていません。
メルカリで購入した方は法改正は自身でカバーしましょう。
勉強方法その② 過去問解きまくる
出題範囲がわかったら、どんどん過去問を解きましょう。
おすすめの過去問サイト : 過去問.com
こちらのサイトでは大量の過去問が解説付きで掲載されています。(しかも無料!)
解説は非常に詳しいですし、正答率も表示されるとても役立つサイトです。
問題集を本屋で購入していたのですが、こちらのサイトだけで十分でした。
勉強方法その③ 参考書&解説サイトで知識を補う
過去問題を解いていくと、知らない知識がたくさん出てきます。
分からなかった問題を参考書で調べ直しましょう。
ただ、暗記が前提となっている参考書だけでは理解しづらい内容もたくさんありました。
その場合は、これからご紹介する解説サイトで知識を補うことをおすすめします。
試験対策全般のおすすめサイト
おすすめサイト : 衛生管理者試験フォーラム
衛生管理者試験対策の講習会を開催している企業の解説ブログです。
試験に出るポイントだけをシンプルにまとめています。
参考書を読んで内容が良く理解できなかったら、こちらのサイトを見てみると良いでしょう。
実際私も、「作業環境測定」の内容が参考書では理解できなかったので、こちらのサイトで勉強しました。(参考)
暗記のゴロ合わせも紹介しているので、暗記に悩んでいる方はお勧めのサイトです。
労働生理のおすすめサイト
労働生理が苦手な方はこちらのサイトが本当におすすめです。
おすすめサイト : 中外製薬「からだのしくみ」
その名の通り中外製薬がからだのしくみについて説明しているページです。
アニメーションを取り入れながら身体の各機能を分かりやすく教えてくれます。
高校で生物を学んだことがないという方は、まずはこちらのサイトで基本を学ぶとよいでしょう。
分量に制限がある参考書だけでは、理解が難しい内容があります。
ご紹介したサイトを駆使しながら勉強していくことをおすすめします。
衛生管理者合格のコツ
衛生管理者の試験内容はほぼ暗記問題です。(たまに計算問題も有)
暗記する上で、大事なポイントを2つご紹介します。
すべてを覚えようとしない。
例えば、労働衛生(有害業務)の分野では、防毒マスクの吸収缶の色の組み合わせ問う問題があります。
種類 | 色 |
---|---|
一酸化炭素 | 赤 |
有機ガス | 黒 |
アンモニア | 緑 |
亜硫酸ガス | 黄赤 |
ハロゲンガス | 灰色及び黒 |
参考書では、すべての色を覚えさせようとします。
しかし、この試験は択一式で、かつ6割答えられれば良い試験です。
有機ガス→黒
一酸化炭素→赤
まずはこの2つだけ覚えておきましょう。
もちろんほかの色も覚えれば得点確立が高まりますが、出題されるのはほとんどこの2つのみです。
細かな知識を覚える前に、まずはこの2つだけを覚えて、勉強を先に進めましょう。
6割とればオーケーということを忘れずに。
ごろ合わせは役立つ
分かり切ったことですが、語呂合わせで覚えられるものは覚えておきましょう。
先ほど紹介した「衛生管理者試験フォーラム」では語呂合わせをたくさん紹介しています。
有機溶剤の尿中代謝物の覚え方 : 「きしめん、とるうま」
電磁波の波長の長さ : 「でんぐりがえしか~ 狭い部屋では難しい」
緊張している試験中だと、回答に自信のある問題も急に不安になってくるんですよね。
「あれ?トルエンの代謝物って馬尿酸で本当にいいんだったよな?」
そんな時に、語呂合わせ「きしめん、とるうま」を思い出すと答えが確信に変わり、悩む時間を削減できます。
勉強時間
以上の勉強方法で、1日2時間週4日のペースで2か月間試験勉強を行いました。
(もともと人事部歴が長いため、労働法はある程度把握していました。)
その結果、無事に一度の受験で合格できました。
得点内容は開示されませんでしたが、手応え的には8割は超えていたのではないかと思います。
試験にさえ合格してしまえば一生名乗れる資格ですので、取得する価値は大いにあると思います。
実際、私も国家資格を初めて取得できたので、自信につながりました。
みなさんもぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
最後に
実は、この試験の最大の敵は、試験場所が千葉のへき地にあるということです。(関東の場合)
当日は、試験会場にたどり着くまでにちょっとした冒険をすることになるので、試験前に必ず当日の流れを確認しておきましょう。
詳しくはこちらの記事にまとめています。↓