【平成29年市区町村別】「特別徴収税額決定通知書」のマイナンバー記載の有無を調べてみた。

平成29年の春、毎年市区町村から送られてくる「特別徴収税額決定通知書」が人事業界の中で話題に挙がりました。

理由は、マイナンバーが記載されていること
会社控えとして送られてくる「特別徴収税額決定通知書」にマイナンバーが記載されていたのです。しかも、マイナンバーを記載するかどうかは市区町村によってバラバラ。

マイナンバーが記載されていることで、より厳重に管理しなければならなくなったことから、企業の多くで混乱や反対の声が挙がりました。

では、実際にどこの市区町村がマイナンバーを記載していて、どこの市区町村は記載していないのか。
市区町村ごとに調べてみました

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調査対象

対象年度:平成29年度 特別徴収税額決定通知書 (初回送付分)
対象自治体:110自治体 (実務 or インターネットで調べのつく限り)

※年度の途中で記載の有無を変えた自治体がありましたが、初回分の情報を記載。

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調査結果

調査してみると、マイナンバーの記載の有無は自治体によって3パターンに分かれていました。

① マイナンバーを記載(全ての番号を記載)
② マイナンバーを一部記載(下4桁や上6桁のみを記載)
③ マイナンバーを記載しない

記載あり 一部記載 記載なし
市区町村数 53 18 39
(割合) 48.2% 16.4% 35.5%

それでは、この内訳を都道府県ごとにご紹介していきます。

北海道

記載あり 一部記載 記載なし
札幌市

茨城県

記載あり 一部記載 記載なし
取手市
守谷市
五霞町

群馬県

記載あり 一部記載 記載なし
前橋市
高崎市

埼玉県

記載あり 一部記載 記載なし
さいたま市
川口市
久喜市
所沢市
春日部市
上尾市
越谷市
蕨市
入間市
吉川市
草加市

千葉県

記載あり 一部記載 記載なし
千葉市
木更津市
船橋市
柏市
八千代市
四街道市
白井市
市原市
市川市
松戸市
茂原市
習志野市
流山市
印西市

東京都 23区

記載あり 一部記載 記載なし
墨田区
練馬区
江戸川区
千代田区
中央区
港区
新宿区
文京区
江東区
品川区
目黒区
世田谷区
中野区
杉並区
北区
板橋区
足立区
葛飾区
台東区
大田区
豊島区

東京都 23区外

記載あり 一部記載 記載なし
八王子市
三鷹市
府中市
町田市
狛江市
東久留米市
稲城市
あきる野市
国立市
西東京市

神奈川県

記載あり 一部記載 記載なし
横浜市
川崎市
相模原市
横須賀市
茅ヶ崎市
逗子市
大和市
座間市
寒川町
鎌倉市
藤沢市

富山県

記載あり 一部記載 記載なし
滑川市

長野県

記載あり 一部記載 記載なし
松本市

静岡県

記載あり 一部記載 記載なし
浜松市
掛川市

愛知県

記載あり 一部記載 記載なし
一宮市
みよし市

三重県

記載あり 一部記載 記載なし
名張市

京都府

記載あり 一部記載 記載なし
宮津市
御山町

大阪府

記載あり 一部記載 記載なし
堺市
豊中市
枚方市
茨木市
摂津市
島本町
河内長野市
和泉市
狭山市
大阪市
池田市
吹田市
高槻市
東大阪市

兵庫県

記載あり 一部記載 記載なし
神戸市
姫路市
尼崎市
三田市
西宮市
宝塚市
芦屋市  

奈良県

記載あり 一部記載 記載なし
奈良市
斑鳩町
生駒市  

山口県

記載あり 一部記載 記載なし
下関市

福岡県

記載あり 一部記載 記載なし
福岡市
久留米市
粕屋町

 

調査して分かったこと

調査をしていくつかのことに気付きました。

都道府県内でも統制はとれていない

東京都の自治体のほとんどが記載なしでしたが、記載をしているところもありました(大田区・豊島区)。
一方、お隣の神奈川県は、多くの自治体が記載をしていましたが、記載していないところもあり(藤沢市・鎌倉市)。
都道府県内でも方針はバラバラでした。

年度の途中で方針を変えた自治体もあり

平成29年度の途中で記載の方針を変えた自治体も見受けられました。

【 一部記載⇒記載なし に変更】
・千葉県市川市

【 記載⇒記載なし に変更】
・神奈川県逗子市
・大阪府豊中市
・大阪府枚方市
・兵庫県姫路市

これらの自治体は、年度の途中で記載しない方針に変更したようです。

大阪市のやり方はユニーク

大阪府大阪市は、住民税の決定通知書とは別に、マイナンバーの通知書類を改めて送ってきたのです。

どういうことかと言うと、「特別徴収税額決定通知書」には下4ケタのみを記載。
それとは別に、個人番号通知書』として、個人ごとのマイナンバーが全て記載された通知書が送られてきました
この通知書には、受給者番号と個人番号のみが記載されており、
「下4桁をそれぞれ見比べて社員の情報が正しいか会社で確認してね。」という旨の説明文が記載されていました。

保管する書類が増えるだけなので、非常に非効率に感じますが。。

平成30年度以降は記載しない方針に

多くの企業や団体から反対を受けたようで、平成30年からは「当分の間、マイナンバーを記載しない。」ことにしたようです。参考

給与担当者としては、保管する業務が減り大変助かります。
業務の効率化の一環としてマイナンバーが導入された気がするのですが、人事担当者の仕事は大幅に増えました。

少なくとも、この住民税の決定通知書にはマイナンバーを記載しないことを望みます