【提案】配偶者特別控除は年末調整ではなく、確定申告による控除にしませんか?

2018年6月22日税金・年末調整

配偶者特別控除について、どれぐらいの人が理解しているんだろう?
企業で給与の仕事をしていると、配特の知名度の低さを実感します。
しかも、ややこしい。
平成30年からの改正でさらにややこしくなりました。。

この制度を社員に説明をしている時に、いつも思うのです。
年末調整の書類を提出する11月ごろまでに、社員に配特を申告させるのって難易度高すぎるんじゃない?

そこで今回は「配特は年末調整ではなく確定申告での対応にしようよ!」という提案(お願い?)を記事にしてみました。

配偶者特別控除とは?

2018年から配偶者控除の適用条件がとても細かくなりました。
配偶者の所得に加えて、本人の所得額に応じて適用される控除額が違ってくるのです。

所得額だと分かりにくいので、収入額別で一覧にしたのがこちらの表です。↓

  本人の所得 ↓
1120万円以下 1120万円超 1,170万円以下 1170万円超 1,220万円以下 1,220万円超
配偶者の収入 控除額 控除額 控除額 控除額
103万円以下 13万円 13万円 13万円 0円
150万円以下 13万円 13万円 13万円 0円
155万円以下 12万円 12万円 12万円 0円
160万円以下 11万円 11万円 11万円 0円
166万8千円未満 9万円 9万円 9万円 0円
175万2千円未満 7万円 7万円 7万円 0円
183万2千円未満 6万円 6万円 6万円 0円
190万4千円未満 4万円 4万円 4万円 0円
197万2千円未満 2万円 2万円 2万円 0円
201万6千円未満 1万円 1万円 1万円 0円
201万6千円以上 0円 0円 0円 0円

詳しくはこちらの記事にまとめています。↓

配偶者の収入が5万円異なれば、適用される控除額が異なることが分かります。

年末調整の時期

次に、年末調整の時期について考えてみたいと思います。
多くの企業では、以下のスケジュールになっているかと思います。

【10月下旬~11月上旬】
① 社員に年末調整の書類配布(保険料控除や扶養控除申告書など)

【11月中~下旬】
② 書類提出締め切り

【12月上旬】
③ 提出書類チェック、給与システムへのデータ入力

【12月給与】
④ 年末調整の実施(還付金の返金など)

このスケジュールで社員は配偶者控除の申告をしないといけません。

配偶者の正確な年収を11月中に確定させないといけない

配偶者特別控除を受けるためには、「配偶者控除申告書」という書類で会社に申告する必要があります。
その書類には控除額を確定させるために、配偶者の今年1年の収入がいくらになるのかを正確に予測する必要があります。
さらには、配偶者だけでなく、社員本人の合計所得金額も予測する必要があります。
提出期日は11月中~下旬までです。

つまり、11月下旬までに本人と配偶者それぞれの所得額を正確に予想しなければならないのです。
11月下旬というと、あと2回ぐらいの給与が支払われる可能性があります。
あと2回の給与を正確に予想して、配偶者・本人それぞれの年収を算出する必要があります。

さらに、不動産所得など給与以外に所得がある場合は、それらの所得額を全て含めた所得額を申告しなければなりません。

一方で、配特の控除額は所得額が5万円から8万円異なる毎に変わっていきます。
所得額の予想が5万円ずれてしまうと控除額が変わってきてしまうのです。

配偶者控除の申告はとても難易度が高いことがお分かりいただけましたでしょうか?

配偶者控除申告書の記入方法についてはこちらの記事をどうぞ。↓

配特申告に誤りがあった場合の対応方法

年収の予想が外れ、配偶者特別控除が誤っていた場合は、どうなるのでしょうか?

Ⅰ. 再年末調整で調整

年末調整に誤りがあった場合は1月に再年末調整を行うことができます。
再年末調整の締め切り日までに会社に再申告し、1月に再度年末調整の計算をしてもらいます。
(多くの企業の場合は、遅くても1月上旬が再年調の締め切りです。)

Ⅱ. 確定申告で申告

再年末調整に間に合わなかった場合は、自身で確定申告をして正しい控除額で申告し直す必要があります。

上記Ⅰ・Ⅱはどちらも申告した社員が配特の申告誤りに気付いていた場合です。
しかし、最初に書いたように、配特の知名度はかなり低いことを感じています。
配特の申告誤りに気付ける人は一握りなのではないでしょうか。
(しかも、企業は誤りを把握できません)

では、誤りに気付けずⅠもⅡも対応できなかった場合はどうなるのでしょうか。

税務署より指摘を受ける

控除額が異なっていたということは、所得税を不正に納めていたことになります。
それを税務署は見逃しません。
ほぼ必ず、税務署の調査で指摘を受け、その際に税金を納めることになります。
扶養是正は申告から2~3年過ぎたころに調査されるので、2~3年後に税務署より突然指摘を受けることになります。

扶養是正の流れについては、以下の記事にまとめています。

11月の下旬に年収を正確に予想をしなければならない状況で、もし予想が間違えていたら大ごとになってしまいます。
とても非効率的な方法だと私はいつも思うのです。

そこで、いっそのこと配偶者特別控除は確定申告での対応にすべきだと思うのです。

配特は年末調整ではなく確定申告での申請にしよう!

提案

配偶者特別控除は確定申告で対応。

方法

配偶者特別控除を受けたい者は、自身と配偶者のその年の源泉徴収票を添付し、確定申告をする

大まかな流れ

年末に源泉徴収票が会社から配布される

社員は配偶者の源泉徴収票を見て、配偶者特別控除の対象がどうか確認する

対象であれば、確定申告を行う

効果

  1. 源泉徴収票にて申告することで、申告の誤りが無くなる。
  2. 確定申告する人が増えるが、ネット申告なら税務署の負担はそこまで増えない。
    一方で、扶養是正対象者が大きく減り税務署の負担が減る。

とてもシンプルな流れだと思うのですが、いかがでしょうか?
所得額を予想するという難易度の高い作業がこれでなくなります。

ふるさと納税の登場により、確定申告はサラリーマンにとっても特別ではなくなりました。
医療費控除のように、配偶者特別控除も確定申告での対応にしませんか?
国税庁の皆様、ぜひご検討のほどお願いします。